帯状疱疹
幼少期に水痘(水ぼうそう)に感染すると、水痘帯状疱疹ウイルスが神経に潜伏します。大人になって、抵抗力が低下したり、免疫力が落ちたりした時に再活性化し、帯状疱疹となって引き起こされます。過労による免疫低下のほか、肺炎や糖尿病などの全身疾患・ステロイド薬・抗がん剤などの薬・レントゲン照射・外傷なども要因となって発症します。皮膚・粘膜症状・神経症状が現れるほか、特殊なタイプもあります。
帯状疱疹の症状
皮膚・粘膜症状
- 身体の左右どちらかで、神経分布に沿って帯状に発赤と水ぶくれが現れます。皮疹とともに、痛みや知覚異常が伴います。
- 時間が経つと、水ぶくれが破れます。その部分がただれて、かさぶたができて2~3週間で治ります。
- 顔面や胸・背中に皮膚症状が出ることが多いです。
- 強い症状が見られる場合や、ケロイド体質の場合は、治った部分が痕になって残ることがあります。
神経症状
- 皮膚症状が出現する数日前からチクチクする痛みや筋肉痛・感覚が鈍るなどの症状が現れます。
- 高齢者や強い皮膚症状が出た方は、強い疼痛や運動障害・不眠などを併発することがあります。
特殊な病型
汎発性帯状疱疹
一般的な帯状疱疹の皮膚症状が出てから数日後に、全身に発赤や水疱が現れます。ステロイド剤の内服・免疫抑制剤・基礎疾患のある方のように、免疫低下している方に多く見られます。
眼症状
顔面の眼神経に沿って、皮膚症状が現れます。この時に、結膜炎や角膜炎を併発することがあります。
Ramsey-hunt症候群
耳の周囲に皮膚症状が現れた場合、内耳神経障害によるめまい症状や、顔面神経麻痺による運動障害が合併します。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の皮膚症状が改善した後も、ずっと神経痛が持続したり、改善した後になって神経痛が出現することがあります。特に、高齢者で皮膚症状が強く現れていた方は、神経痛の症状が強くなることが多いとされます。
帯状疱疹の検査
採血検査を行い、内服薬を調節していきます。患者さんの年齢や腎臓機能によって調整が必要です。
帯状疱疹の治療
飲み薬
抗ウイルス薬(バルトレックス®・ファムビル®など)
強い痛みや痺れがある方には
- 非ステロイド系抗炎症薬(カロナール®など)
- ビタミン剤(メチコバール®)
- プレガバリン(リリカ®)などの併用を検討します。
塗り薬
二次感染予防のために、抗生剤含有の軟膏を併用します。