粉瘤(皮膚腫瘍)

粉瘤(アテローム)とは

粉瘤(アテローム)とは粉瘤は、アテロームといって皮膚の下にできる良性の腫瘍です。皮下に袋が出来て、袋には皮脂や角質などの老廃物が溜まります。そのまま放置してしまうと、徐々に袋が大きくなり、化膿してきます。

粉瘤の原因と種類

明確な原因がなく、稀に外傷がきっかけとなって発生することがあります。粉瘤は、できやすい体質があり、全身のうち特に肩から背中にかけて、或いは耳の周囲に多発する場合が多いとされています。さらに、多発性毛包嚢腫・外毛根鞘性嚢腫というアテロームの種類があります。多発性毛包嚢腫は、腕や脇・首などに20~30個というように多発し、黄色いドロドロした内容物が溜まっています。外毛根鞘性嚢腫は、頭部に出来、粉瘤よりもしこりが硬いとされます。

粉瘤・アテロームの症状

患部を触ると小さいしこりがあります。痛みや痒いは特になく、独特の臭いがある場合があるため、臭いで気づくこともあります。顔や首などにできれば早い段階で気付きますが、背中に出来た場合はなかなか気づきません。粉瘤・アテロームは、自然治癒することはなく、次第に大きくなっていきます。粉瘤自体に痛みはありませんが、病状が進行すると化膿して炎症性粉瘤になると、痛みや腫れが生じます。この場合、排膿すれば痛みが解消しますが、排膿だけでは再発を起こしてしまいます。根本治療としては、摘出手術が必要となります。一度化膿してしまうと、その後も再発を繰り返す傾向があります。

粉瘤の臭い

粉瘤は、触ったり押したりすると、独特の強い悪臭が生じます。特に、炎症がある場合は、押さなくても悪臭があります。臭いを例えるならば、魚の腐敗した臭いや汗を掻いた靴などに似ています。

粉瘤の臭いの原因

炎症が起きた粉瘤は、プロプリオバクテリウムという嫌気性菌が増殖します。強い悪臭の原因は、これによって発生するプロピオン酸です。粉瘤からはドロドロした悪臭のある内容物が出てきますが、なるべく潰さずに軽く拭って、速やかに当院までご来院ください。

粉瘤は再発率が高い疾患

粉瘤は再発率が高い疾患炎症性粉瘤に対して、切開排膿治療しか行わなかった場合、再発する可能性が高いとされています。排膿だけでは、本体の袋が残存しているため、内容物が再び溜まって炎症を起こしてしまいます。なお、摘出手術を行っても再発することもあります。

炎症性粉瘤の治療

摘出手術・切開排膿・抗生剤の内服治療があります。当院では、炎症の程度にもよりますが、炎症性粉瘤を全摘出できると判断した際は、摘出手術を行っております。ケースによっては、摘出せず切開排膿処置を行って、炎症がなくなった後に摘出手術を行うことがあります。

粉瘤手術

当院では、粉瘤手術の方法として、摘出手術とくりぬき法の2種類を実施しています。

通常の摘出手術

粉瘤部分の皮膚を切開して、粉瘤の袋を丁寧に周囲から剥がして摘出します。粉瘤の袋を破らないように注意します。

通常の摘出法による手術の流れ

  1. 手術前に切開ラインをマーキング
  2. 局所麻酔注射
  3. メスで皮膚切開・粉瘤の袋を摘出
  4. 丁寧に縫合して手術終了
  5. 抗生剤と痛み止めを処方

くりぬき法

特殊なパンチで、粉瘤部分に小さい穴を開けて、袋に溜まった内容物を揉みだして、粉瘤の袋がしぼんだ状態で取り出します。

くりぬき法による手術の流れ

  1. 手術前にマーキング
  2. 局所麻酔注射
  3. 特殊なパンチ(トレパン)で粉瘤に穴を開ける
  4. 袋を丁寧に除去する
  5. 縫合を丁寧に行って手術終了
  6. 抗生剤と痛み止めを処方

それぞれの手術法のメリット&デメリット

メリット デメリット
通常の摘出法 取り残しがない癒着が強い粉瘤や大きい粉瘤に対応 くりぬき法に比べて傷が大きい
くりぬき法 傷が小さくて目立たない 通常の摘出法に比べて再発の確立が高い癒着が強い粉瘤や大きい粉瘤に対応できない

手術を行うにあたって

粉瘤の手術は、炎症の有無・炎症の既往・大きさ・部位・エコーの所見・患者さんの希望などに応じて、最適な治療方針を検討していきます。粉瘤に似た腫瘍である場合があるため、粉瘤手術を行うかは、診察後に判断します。

手術日程と所要時間

粉瘤の大きさがある程度で医師が可能と判断した場合は、初診後すぐに手術をすることができます。当日手術ができない場合は、予約となります。癒着がなく小さい粉瘤であれば所要時間約5分、大きい粉瘤でも約10~15分ほどで手術終了となります。

保険適用

保険適用当院での粉瘤の治療は、すべて健康保険適用となっております。どうぞ安心してご相談ください。

当院の粉瘤治療の特徴

縫合を丁寧に行います

傷痕をきれいに、目立ちにくくするために、真皮縫合を行います。吸収糸を用いて、埋没縫合を行います。

繊細な操作が可能な手術器具や道具

拡大ルーペ(ハズキルーペ)とヘッドライトを用いて、良好な視野で手術を行います。繊細な操作が可能な専用手術器具を使います。

痛みが少ない

当院では、極細の針でゆっくりと麻酔を注射して、痛みが少ないように配慮しています。

手術時間

癒着がなく小さい粉瘤であれば所要時間約5分、大きい粉瘤でも約10~15分ほどで手術終了となります。

アフターフォロー

術後のアフターフォローを丁寧に行っております。抜糸後1~3カ月ほどはテープで固定して、傷跡の盛り上がり幅が広がるのを防ぎます。肥厚性瘢痕やケロイドの治療が必要な場合は、定期的に診察し経過観察を行います。

手術後の注意点

通院

手術翌日に来院して患部の傷をチェックします。1週間後に抜糸します。

入浴

手術翌日からシャワーが可能です。

運動

患部の傷の場所と運動の内容によって制限が異なるため、術後に説明しています。

飲酒

アルコールは血流が良くなり、血腫リスクが高まります。手術当日・翌日は飲酒を控えてください。

術後合併症(摘出手術のトラブル)

血腫

手術患部に血液がしみ出て、血の溜まりを作ります。血腫が起きやすい場合は、縫合方法を工夫します。

化膿

稀に患部が化膿する場合があります。この場合、抗生剤の投与を行います。特に、炎症性粉瘤の摘出は、化膿する確立が高まります。強い炎症がある粉瘤の場合は、2段階に分けて手術をするなどがお勧めです。化膿しても、傷は治るので心配いりません。

肥厚性瘢痕・ケロイド

傷の盛り上がりは、肉芽組織の増殖によって起こり、傷を修復しようとしている反応です。3カ月程度経過すると症状が落ち着いてきて、半年~1年ほどで柔らかくて平坦な傷へと変わってきます。これを肥厚性瘢痕や、ケロイドと呼ばれます。患者さんの体質や手術部位によって症状が異なります。ケロイド体質などの方やその兆候が見られた場合は、速やかにご相談ください。

治療後の傷跡の経過

赤み

手術後の傷跡の赤みは、身体が新生血管を作って傷に栄養や酸素を運ぼうとしているからです。治療後の赤みは、血液のヘモグロビンが透けて赤く見えます。1~3カ月ほど経過すれば、徐々に皮膚の色と同化します。

盛り上がりや硬さ

傷跡の盛り上がりや硬さは、肉芽組織が増殖して傷を治そうとしている状態です。だいたい術後3カ月を経過すれば落ち着き、半年~1年ほどで柔らかく平坦になります。

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