痛風(高尿酸血症)

痛風について

尿酸値体内で尿酸が溜まり、結晶となって関節に沈着して炎症を引き起こす疾患を痛風と言います。尿酸は、プリン体が分解して生じる物質です。プリン体を多く含む食品を過剰に摂取したり、代謝機能のいずれかに異常が起きたりすると、少しずつ溜まり、尿酸が生成されます。痛風を発症した患者様の約99%が男性です。特に、中高年の男性に多く、贅沢病とも呼ばれています。痛風の患者様の性格に多い傾向としては、活発でエネルギーの出し入れが高く、よく食べてよく飲み、仕事にも遊びにも積極的に行動する人に多いとされています。飲酒が好きで美食家、中年太りなどの方は発症のきっかけとなるので注意が必要です。痛風は、食事を気を付けるだけでは改善しないため、医師の指示のもと治療を行います。気になる症状がある場合は、早めに当院までお気軽にご相談ください。

症状

親指の痛み足指の腫れ・足指の関節炎・強烈な痛みが現れます。痛風の前兆として、足指などの患部にムズムズとした違和感が現れ、次第に痛みが生じて、24時間以内に酷い痛みのピークに至ります。発作が起きると、耐え難い激痛が起こり、場合によっては日常生活が困難になるほどです。激痛が2~3日続いたあとは、1~2週間ほどで症状が軽減します。また、発作時の患部は痛みがあり、熱感が伴って赤く腫れ上がります。痛風の発作は、尿酸血症が関節に沈着して発症しますが、病状が進行すると腎臓に沈着しやすく、腎臓障害を招く恐れがあるため注意が必要です。ゆえに、痛風の発作が治まっても、痛風が治ったわけではなく、知らず知らずのうちに内臓を侵している可能性があります。

痛風の対処や予防

体内の尿酸が多いために溜まることで、痛風発作や腎臓障害を引き起こします。ゆえに、尿酸値を正常にコントロールすることが、発作や病状の進行を防ぎます。体内に溜まった尿酸を軽減させるためには、食生活改善だけでは困難なため、この場合薬物療法を行っていきます。また、痛風発作が起きていない期間も治療を継続して、体内の尿酸値を正常にコントロールしなければなりません。このように、痛風を治すのは困難とされていますが、尿酸値コントロールや食事療法によって、痛風発作の対処や予防が可能です。

痛風の発作

主な症状としては、足親指関節が赤く腫れ上がって、激しい痛みが現れます。耐え難い激痛が特徴で、足指のほか足の甲・足首・アキレス腱の付け根などにも激痛が現れることがあります。痛風発作は、だいたい1週間ほどで治まります。発作時は、1つの関節だけが痛むのが大きな特徴とされています。さらに、痛風発作には以下のような特徴があります。

忘れた頃に発作が起きる

痛風発作がある時は激痛に襲われますが、痛風発作がない期間は苦痛症状が全くありません。痛風を発症している場合、発作がない時期は無症状のため、つい忘れてしまいますが、必ず次の発作が再発します。発作がない期間は人によってそれぞれ異なり、1~2週間で発作が起こる人もいれば、発作が起こるまで数年経過する人もいます。

繰り返すうちに重症化する

痛風発作は、次第に発作と発作の間隔が短くなって、腫れや痛みの症状も酷くなっていきます。1度の発作時に2つ以上の関節に症状が現れたり、足以外の手首関節や膝に発作が現れて、激痛に襲われるようになります。このように、痛風発作は何度も繰り返しながら次第に重症化していきます。

広がる合併症

痛風結節

病状が進行すると、尿酸が溜まった塊が足指や肘関節・耳介などに現れます。

尿路結石

痛風を発症している人は、尿路結石を生じやすいとされています。場合によっては、激しい痛みと血尿が出ることがあります。

放置すると腎不全に

痛風を発症して、なかなか治療を行えずに放置してしまった場合、尿酸による腎臓障害を起こし、腎臓機能を失ったり、腎不全を起こしたりすることがあります。以前は、尿酸をコントロールする薬がなく、腎不全や命の危険を及ぼす疾患とされていましたが、現在は薬剤によって尿酸コントロールが可能になったため、腎不全を予防できるようになりました。

痛風と成人病

痛風と成人病は密接に関わっており、痛風を発症している人は高血圧や高脂血症を合併しやすく、また動脈硬化を起こしやすい体質とされています。飲み過ぎや食べ過ぎ、運動不足、肥満、ストレス、腎臓機能低下など、いくつもの要因が重なって通風を起こします。尿酸値コントロールを行いながら、成人病の予防や治療を行うことが、痛風の治療となります。また、腎臓病や血液疾患・悪性腫瘍・利尿剤なども高尿酸血症を引き起こす要因となってしまいます。なお、血清尿酸値が9mg/dl以上と数値が高く、腎臓障害が見られる場合は、薬物療法を行います。

治療方法

Phase1.対症療法

痛風発作のつらい症状を抑える薬剤で治療を行います。痛風発作の前兆症状が見られたら、コルヒチン1錠が有効です。発作が起こっている時は、消炎鎮痛剤を短期間使用します。また、尿酸値を下げる薬や、症状が悪化する恐れがあるため痛風発作が治まってから使用します。

Phase2.原因療法

第2段階に、痛風発作の原因となる尿酸値を抑える薬(アロプリノール)と、尿酸を尿中に出しやすくする薬(ベンズブロマロン・プロベネシド)を使って治療します。患者様の症状や合併症に応じて、適切な薬剤を処方します。

Phase3.健康管理

第3段階では、体重制限や降圧剤・高脂血症治療剤などを使って合併症を予防します。痛風を発症している方は、動脈硬化を起こしやすい体質で、高血圧・肥満・高脂血症などの合併症を起こす恐れがあるので注意が必要です。

Phase4.生涯治療

痛風は、生涯治療を続けていくという認識で、発作時の痛みや苦痛を取り除くだけではなく、常に尿酸値を正常値に維持し、腎臓障害や成人病の合併を予防していくことが重要です。このように、痛風発作がない無症状の時期でも治療を中断せずに行ってください。

薬の服用における注意点

尿酸値を抑制する薬剤を用いると、尿酸が少しずつ溶けてしまうために、痛風発作が起きる場合があります。痛風の治療開始後3カ月以内に起こることがあるほか、治療を中断してしばらく行っていなかった人にもよく見られます。これは痛風治療における通過点としてどうしても現れる症状です。よって、医師の指示に従い、治療を進めていきましょう。

定期的に血清尿酸値を測定

定期的に血清尿酸値を測定すること、高血圧や高脂血症などの合併症をチェックすることが重要です。医師の管理のもと、必要に応じて薬剤量を調整します。

尿酸を抑える薬を服用し続ける

発作が治まっている期間、症状がない時期も自己判断で治療を中断せず、尿酸値を下げる薬剤を継続して服用する必要があります。薬の量を減らしたり、やめてしまったりすると、血清尿酸値はすぐに上がってしまいます。

尿のアルカリ化

尿が酸性だと、尿素が溶けにくく尿路結石を起こしてしまうため、尿をアルカリ性にする薬剤で治療を行います。それと同時に、食事で野菜や海藻・牛乳などアルカリ性食品を摂取することをお勧めしています。

痛風と食事制限

痛風発作が起きている期間は、プリン体の摂取を控えます。プリン体を多く含むビールや食品を避けてください。痛風の方は、総カロリー制限を行います。多種類の食品を、バランスよく摂取することを基本とし、総合的に摂取カロリーを抑えます。

日常生活における注意点

日常生活において、セルフケアを徹底し、血清尿酸値を下げ、高血圧や高脂血症の合併症を予防していきます。

肥満

体重が急激に増えるなど、肥満の方は血清尿酸値が上昇するため注意が必要です。この場合、体重が減ることで血清尿酸値が下がります。痛風の方は、特に肥満に気を付けます。

アルコール

アルコールを摂取すると、血清尿酸値が上昇します。特に、ビールはプリン体が多く含まれているので避けてください。

水分摂取

尿酸は腎臓から尿中に排出されます。尿酸を多く排出するためには、水分を十分に摂取して尿の量を増やすことが大切です。痛風の方は、十分な水分摂取を行ってください。

適度な運動

適度な有酸素運動を行っても、尿酸値は上昇しません。軽いジョギングやウォーキング・散歩などがお勧めです。1日20~30分歩くなども、肥満解消にも有効です。一方で、激しい運動や筋肉トレーニングなどは無酸素運動のため、血清尿酸値が一時的に高くなってしまうので注意が必要です。

ストレス

緊張や興奮などの過度な精神的ストレスは、血清尿酸値を上昇させてしまいます。また、痛風の方に多い性格の傾向として、エネルギーが高く、仕事にも遊びにも積極的で行動的、良く食べて飲むエネルギーの出し入れが活発な人が多く、その一方で攻撃的で協調性に欠ける性格であるとも言われています。痛風を悪化させないためにも、ストレスを溜めないこと、発散させることが重要です。

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